群馬県榛名町にある『榛名湖』での怖い話

2020年8月14日

私がまだ十代の頃、ガソリンスタンドのアルバイトをしていました。勤務は主に夕方から閉店まで。

閉店が22時だったので、帰るのは大体22時30分頃でした。この頃は先輩の勧めでブラックバス釣りにハマり、週に一度くらいはアルバイトの終わった22時30分頃から榛名湖へ夜釣りに車で行っていました。

榛名湖は群馬県榛名町にある榛名山の頂上付近にある大きな湖で、昼間は釣り人やアヒルボートに乗る家族連れやカップルで賑わっています。

夜の榛名湖はというと当時は頭文字Dという漫画の影響もあり、走り屋の車が多く走っていました。

漫画の主人公の地元が榛名町

榛名湖へ着くのは大体0時前、走り屋の車がなければ水面のピチャピチャとした音が聴こえるくらいで静か過ぎるくらいです。

アヒルボートが停泊している桟橋に降りて行き、桟橋の一番先で釣りをしていました。これはそんな事をしていた、ある夜の出来事です。

桟橋の先で釣り糸を垂れながら1時間、この夜は当たりが全くなく絶不調でした。リールを巻きまた投げる、リールを巻きまた投げる‥時刻は夜中の1時を過ぎていました。

不思議とこの夜は走り屋がいない静かな榛名湖でした。あと1時間して釣果がなければ帰るつもりでした。

生暖かい風が湖面を吹き始めたと思ったら、ギッギッギッと桟橋に誰かが降りて来ました。

夜釣りに来る人は私だけではないので、特別気にしていませんでした。桟橋を踏み締める音はギッギッギッと桟橋の先にいる私の方に近づいて来ます。

ギッギッギッ、私は思わず音のする方を振り返るとバチャーンと大きな音がして、何かが湖面に落ちました。

私は人が落ちたのかと思い湖面を懐中電灯で照らしましたが、人影らしきものはありません。急にゾッと背筋が寒くなり、慌てて釣り道具を片付けました。

帰ろうとすると急に何かに体が引っ張られました。力は強く湖面に引きづりこまれそうです。

いよいよ桟橋から落ちるギリギリの所まで来た時、この夜は全くいなかった走り屋の車がブォーン、ブォーン、ブォーンと3台爆音で走り抜けて行きました。

その瞬間、体が自由になり慌てて釣り道具を持って車がある駐車場へ戻りました。何かを見た訳ではありません、ですが何か得体の知れないものに湖面に引きづりこまれそうになった感覚は今でも思い出すとゾッとします。

その夜以降、私は夜釣りに行くのをやめました。あの時、車が通らなかったらどうなっていたのか分かりません。